女子マラソン騒動。陸連と選手で選考基準への理解に差

   

名古屋ウィメンズが終了。福士は欠場

大阪国際マラソンで見事な走りを見せて優勝した福士加代子(ワコール)が強行エントリーを宣言し
騒動となった名古屋ウィメンズが終了。

結局福士は欠場した。


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選考基準と派遣設定タイム

陸連の出した選考基準は一つ
前年の世界選手権(北京)で8位以内に入った日本人トップ

これには7位入賞で日本人トップの伊藤舞(大塚製薬)が該当し、早々に内定した。
リオ五輪への出場枠は3つあるが、陸連のはっきり明言している基準は上記一つだけだった。

また、選考基準とは別に派遣設定タイムというものが存在する。
2時間22分30秒。
かなり厳しい設定ではあるが、福士は大阪国際マラソンでこれをクリアし堂々の一位となった。
しかし、それでも福士の内定は決まらなかった。


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陸連と選手の認識の差

基準となるタイムを設定されれば、選手としては当然それをクリアすれば内定が出ると考える。
しかし陸連にとって派遣設定タイムとは世界大会で戦うための基準となるタイムであり、あくまで「目標値」であり「合格ライン」ではなかった。
そのため、国際大会で優勝をし派遣設定タイムもクリアした福士は「有力な候補」止まりとなったのだ。
福士はそのことに不満を漏らし、マラソンの女王として君臨するため名古屋ウィメンズにも強行エントリーしてみせた。

基本的に、マラソンの選考は初回の競技会のみを評価の対象にし、「おかわり」はなしだ。
例外として派遣設定タイムをクリアした場合は評価されるが、福士はすでにクリアしている。

それでも出場に意欲を見せたのは選考基準への不満と、実力の誇示のためだろう。

最終的に欠場したのはよい判断だ。
マラソンは過酷な競技のため、複数レースに出場すればそれだけ本番(五輪)でハンディを背負ってしまう。
陸連もそのことに危惧をし、出場を取りやめるよう打診していた。
結局、3月17日の正式発表を前に福士にも内定が決まり、騒動は表面上決着した。

だが、足りない選考基準や内定の出ない目標タイム等の課題は残ったままだ。
実力伯仲の選手を絞るのは難しいが、選手の目標のためにも明確な基準を決めるべきだろう。


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